ベトナムを一度訪れたことがある人なら、「ハノイとホーチミンでは、街の空気も人の雰囲気も全く違う」と感じたことがあるのではないでしょうか。
南北に1,650kmと細長いベトナムは、地域によって歴史的背景や気候が大きく異なり、それが人々の「気質」や「文化」に色濃く反映されています。ベトナム北部・中部・南部の深すぎる違いについて徹底解説します。
1. 【北部】伝統と規律を重んじる「ベトナムのプライド」
北部の中心は、1,000年以上の歴史を持つ古都ハノイです。中国の影響を強く受けた儒教文化が今も根付いています。
文化:格式と伝統の継承
北部文化は「伝統的」で「保守的」です。冠婚葬祭や家族の絆を非常に大切にし、言葉遣いや礼儀にも厳しい側面があります。また、ベトナムの伝統芸能である「水上人形劇」や、素材の味を活かした食文化など、ベトナムの源流がここにあります。
人格的特徴:真面目、慎重、そして「メンツ」
北部の人々は、一般的に「勤勉で貯蓄を好む」と言われます。厳しい冬がある気候の影響もあり、将来に備える慎重な性格が育まれました。
- 慎重なコミュニケーション: 本音と建前を使い分ける傾向があり、初対面では少し距離を感じるかもしれません。
- メンツを重んじる: 社会的地位や周囲からの目を意識するため、プライドが高い一面もあります。

筆者の職場の北部出身ベトナム人はほんとに真面目です。男性、女性とも少し寡黙な感じもします。もちろん人によるのでしょうが全体的にそんな印象です。男性も女性も一途な感じがします。
2. 【中部】忍耐強く情熱的な「ベトナムの魂」
ダナンやフエ、ホイアンを擁する中部は、かつてのチャンパ王国や最後の王朝・グエン朝が栄えた場所です。
文化:王朝の気品と素朴な信仰
古都フエに見られる「宮廷文化」の華やかさと、漁村の「素朴さ」が共存しています。また、中部は毎年台風や洪水に見舞われる過酷な土地でもあります。その厳しさが、独特の粘り強い文化を形成しました。
人格的特徴:忍耐強く、情熱的
ベトナム人の地域別性格(リクナビNEXT)などの分析でも語られるように、中部の人々は「非常に忍耐強く、苦労を厭わない」と言われます。
- 教育熱心: 厳しい環境から抜け出すために勉強に励む人が多く、多くの知識人や政治指導者を輩出しています。
- 温かみのある気質: 表面的には素朴ですが、一度懐に入ると非常に親身になってくれる情熱を持っています。

筆者の彼女は中部出身です。全体的に周りに合わせる気遣いや協調性を持ち合わせているような印象です。ちなみに少し触れますが筆者の彼女はとてもヤキモチやきです笑
3. 【南部】開放的で自由を愛する「ベトナムの心臓」
経済都市ホーチミンを中心とする南部は、かつてフランスの植民地支配やアメリカ文化の影響を強く受けたエリアです。
文化:多様性と新しいもの好き
一年中温暖な南国気候の南部は、非常にオープンな文化です。新しいトレンドを積極的に取り入れ、多国籍な料理やカフェ文化が発展しています。また、メコン川の恵みを受けた「豊かさ」が、楽天的な文化の基盤となっています。
人格的特徴:ポジティブ、寛容、そして「刹那的」
南部の人々は「宵越しの金は持たない」と言われるほど、今を楽しむ天才です。
- ストレートな表現: 遠回しな言い方はせず、YES/NOがはっきりしています。
- 寛容でフレンドリー: 外国人や新しい価値観に対しても非常にオープンで、ビジネスの意思決定もスピーディーです。

筆者の職場で一番多いのが南部出身者です。GWやお盆など長期休みにはグループで日本の国内旅行をするぐらいみな行動的です。コミュニケーションの取り方としてボディタッチも多いような気がします。自然にそれができるぐらい開放的で人懐こいです。
4. ビジネスや旅行で知っておきたい「比較のポイント」
地域ごとの違いを理解しておくことは、ベトナムと関わる上で大きなメリットになります。
| 項目 | 北部 (ハノイ等) | 中部 (ダナン等) | 南部 (ホーチミン等) |
|---|---|---|---|
| 性格 | 保守的・計画的 | 忍耐強い・誠実 | 開放的・楽天的 |
| 金銭感覚 | 貯蓄重視 | 堅実 | 消費重視 |
| 食の好み | あっさり(塩味) | 辛い・スパイシー | 甘い・濃い |
| 会話のスタイル | 丁寧・間接的 | 素朴・温厚 | 直球・カジュアル |
5. ベトナムに移住やビジネス、旅行など関わりを持つ際の考え方
ここで注目したいのは、「どのエリアが一番良いか」ではなく「どのエリアが自分に合うか」です。
例えば、ビジネスを始めるなら、スピード感のある南部が向いているかもしれません。しかし、日本の老舗企業のように、じっくりと信頼関係を築き、長く続く関係を望むなら、北部の人々との相性が良いという声もあります。また、ゆったりとした時間の流れの中で感性を磨きたいなら、中部の古都が最適でしょう。

北部、中部、南部のベトナム人同士が会話をするとき、発音や言葉がわからない事があるそうです。これには筆者も大変驚きました。
このように、ベトナムは一つの国でありながら、三つの異なる顔を持っています。この多様性こそが、世界中の旅人や投資家を惹きつけてやまないベトナムの真の魅力なのです。
最後に:ベトナムを知ることは、多様性を知ること
ベトナム北部・中部・南部の違いを理解することは、単なる知識の習得以上の意味があります。それは、同じ国の中でもこれほどまでに多様な生き方があるという「寛容さ」を学ぶことでもあります。
次のベトナム旅行やビジネスでは、ぜひこの「違い」を肌で感じてみてください。街を歩く人の声のトーンや、カフェでの注文の仕方一つにも、その土地の歴史と誇りが隠れているはずです。

